チルターギア破損時の対応方法





最近では金属製チルターギアがかなり流通した事もあって、チルターギア破損によるト
ラブルも少なくなってきました。とはいえ、まったく無くなった訳ではなく、いつチルター
ギア破損が発生するのか恐怖におののく毎日を過ごしているデルソル乗りも少なくな
い事でしょう。
遠出をしている時、ふとオープンにしたくなり、そこでトランストップを動かしてみたらギ
アが壊れて動かなくなってしまい立ち往生してしまった・・・・
そんな状態に陥ってしまう事を考えると、うかつにトランストップも出来なくなってしまい
ます。
チルターギア破損というトラブルはデルソルの取り扱い説明書では想定されていない
為に、その対策方法は説明書を見ても記載されていません。

そこで、チルターギア破損が発生してしまった時、どの様に対処したら良いかという事
を紹介してみようと思います。 

状況的にはトランストップを動作させ、ルーフをチルトアップしようとしている時にチルタ
ーギアの破損が発生してしまったという事で話を進めていきます。
このパターンがチルターギア破損トラブルでは一番多いので、チルターギアの一般的
な症状における対策例を紹介という事になりますしね。
先に紹介した「チルターユニット取り外し」 や 「トランストップ手動閉め」と同じ行程を
行う部分もありますので、先の説明を利用して少々簡単に紹介していこうと思います。

では、改めて状況説明を行います。
トランストップの動作中、チルターユニットがルーフをチルトアップしている状態でチルタ
ーユニット内のチルターギアが破損して動かなくなり、それ以上トランストップを動かせ
なくなった為にデルソルを動かせなくなってしまった。
とそんな状態です。
チルターユニットは完全に上まで上がりきっておらず、トランクリッドは上昇しているも
ののルーフスライダーユニットはまだ収納されたままです。


まず最初に行う事はルーフを取り外す事です。途中までルーフが持ち上がっています
が、ルーフとチルターユニットはまだこのセンターロックによって接続されていますので
これを外します。


ルーフセンターロックを クローズドから オープンへと切り替え、これでルーフの接続
が解除され、いつでも取り外しできる状態になりました。
(トランストップ動作途中の為、ルーフサイドロックはすでに外されています)


センターロックを外したら、ルーフを上に持ち上げてやればルーフを外す事が出来ます。
気をつけなければいけないのは、ルーフにあるピンが真上からチルターユニットに刺さ
っていますのでルーフを持ち上げてここを確実に外してからルーフを外すとよいでしょ
う。
ここが刺さったままでの状態でルーフを横に移動させようとするとチルターユニットを壊
してしまいかねないですからね。


で、ルーフですが、すごく重いです。
7sくらいはある上に、かなり不安定な姿勢で取り外す事になる為、下手をすると身体
を痛めてしまう事になりかねません。
手伝ってもらえる人がいたら、2人で両端を持って持ち上げる様にする事をお薦めしま
す。

もっとも、一人でドライブ中にチルターギアのトラブルが発生してしまった事を想定した
場合、一人でも外せる様になっておかないといけないですね。
トランストップオーナーとしては最低でも一人でルーフを外す事が出来る様に日々身体
を鍛えておく必要があると言えるのかもしれません(笑)
トランストップのデルソルを乗りこなすには強靭な肉体が必要といえますね。

一応、参考情報としてこちらも見ておくと良いでしょう 「マニュアルルーフ開け方のコツ」

それとルーフは結構傷つきやすいので、取り扱いには注意してください。
地面に直置きすると傷付きますので、置く時は敷物を敷いた方がいいですよ。
それにバランスを崩して地面に落としルーフを傷付けてしまわない様に注意してくださ
いね。


頑張ってルーフを取り外すと上昇したままのチルターユニットを見る事が出来ます。
そして次に、エンジンルームにある BACK UP 7.5Aを一度取り外してリセットを
かけます。
トランストップ動作中に停止してしまった為、通常ならばさまざまなリミットが効いてしま
っているのですが、リセットをかける事によってトランクリッドをトランクを閉める要領で
閉めることが出来る様になります。

→ トランストップのリセット 参照

ルーフを取り外し、リセットをかけたらトランクリッドを下げて下さい。


実際に試してみると分かりますが、この状態でエンジンをかけてみまると ルーフ開 
のエラー信号が出ていてリミッタ−がかかり、10km/hほどしか速度を出す事が出来
ません。
ちなみに、このエラー信号はトランストップがすでにリセットをかけているのでトランスト
ップの途中動作による信号ではなくルーフサイドロックがかかっていないというエラー
信号です。

次に、内装を取り外して故障したチルターユニットを取り外します。

→ チルターユニット取り外し 参照

チルターユニットを取り外したら、先に取り外してあったルーフを載せてルーフのサイド
ロックをかけます。
最後にもう一度リセットをかけてトランストップを初期化して完了です。


これでエンジンをかけてもエラーは発生する事なく、チルターユニットを外した状態でも
通常走行が可能となります。
話をまとめると、ルーフを取り外し、リセットをかけて (BACK UP 7.5Aヒューズ抜
き差し)チルターユニットを外し、ルーフを付け直してやればOKという事ですね。


予備のチルターギアを持っている場合は、故障したチルターユニットのチルターギアを
交換し

→ チルターギア交換 参照

もう一度チルターユニットを取り付ける事で修理を行う事が出来ますよ。
もっとも、予備を持っている人は故障が発生してから交換するよりも、あらかじめチル
ターギアの状態を調査して事前に交換しておく事をお薦めしますけどね(笑)

そうそう、チルターユニットを取り外す時、まれにショートが発生してヒューズが切れてし
まう事があります。
私もチルターユニットを取り外した時にインテリアライト 7.5Aのヒューズ(運転席足元
のヒューズボックス内にあり)が切れてしまって警告音が鳴らなくなったり、室内灯がつ
かなくなるといったトラブルが発生した事がありました。


もしチルターユニットを外して復旧させた時、何か動作しなくなっている電装系がありま
したら、ヒューズ切れを疑ってみてください。
一応、ヒューズボックスには予備のヒューズがありますので、予備ヒューズと交換すれ
ばすぐに修理する事が出来ますが、予備は規格ごとに1つづつしか予備が無いので、
あらかじめ予備を補充して取り付けておいた方がいいかもしれませんね。
チルターユニットの取り外しを行う時、トランクリッドを下げる作業を行った後はバッテ
リーの配線を外しておいた方が安全かもしれません。

そんな訳で、トランストップオーナーはしっかりとチルターユニットの取り外し方法を憶
え、いつチルターユニットが故障しても一人で応急的に復旧できる様にしておきましょう。


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