チルターユニットの外し方



デルソルのトランストップオーナーであれば、トランストップが故障した時やチルタ
ーギアの破損度を確認する時、またはチルターユニットを自ら交換する時の為に
チルターユニットの外しかたを知っておく必要があります。
トランストップに何かあった時、チルターユニットの外しかたを知っているか知って
いないかは、自分でその問題を解決するにあたって大きな差になると言えます。
このコーナーでは、そんなチルターユニットの外しかたを紹介したいと思います。
色々とコツが必要で、最初の頃は時間がかかると思いますが、頑張って覚えて見
てください。きっといつか役に立つ時がくると思います。
基本的にチルターユニットですが、19mmのスパナかその幅に調整できるモンキ
ーレンチがあれば、あとは車載工具だけで取り外しが可能です。もっとも、車載工
具は応急処置の為にかなり質の悪いに見えるので、ちゃんとした専用工具を持っ
ていのであればそれを使用した方がいいですね。
チルター分解に必要な工具を紹介しますと、(◎は車載工具にありません)

10mmスパナ
19mmスパナ◎
(17mmスパナ◎)
プラスドライバー
マイナスドライバー
プライヤー
(軍手◎)

といった所でしょうか?


さて、それでは早速分解手順に入ります。
まず最初に作業しやすいようオープン状態でリアウインドウを開けます。
それから室内灯のカバーを外して、中のライトを外します。ライトを外す時直前ま
でライトが点灯していたりするとかなり熱くなっているので火傷をしないように気を
付けなければいけません。
ライトを外したら、その下あたりにプラスネジがありますのでプラスドライバーでネ
ジを外します。
この時の作業姿勢は下から覗き込むような不安定な姿勢をしてますので体を傷め
ないように気を付ける事と、外したネジを落として無くしてしまわない様にする事が
大切です。
室内灯は爪などで引っ掛けて取り付けてある訳ではないので、ネジを外したら、あ
とはスイッチのついている本体ごと軽く引っ張ってやれば簡単に取り外す事が出
来ます。
取り外すと2本の配線でつながっていますが、その配線を切らないようにしばらく
の間ぶら下げておきます。
ぶら下げておくと気になってしまう方は、配線をクリップから外して縁切りを行ない
、外してしまいましょう。


次に、チルターユニットの被っている内装(リアピラー下側)を剥がします。
簡単に言えば、中央正面にある2本のピンを取り 外した後はクリップで取り付け
られているだけな ので、内装を割らないように注意して剥がしていけば良いです。
正面の2本ピンを取り外すのがかなり苦労しますが、マイナスドライバーの先を引
っ掛けてテコを使うように外してやれば簡単に外れます(多少傷はつきますが)リ
アピラー下側内装のクリップは全体に渡って6〜7個所にありますので、その点
を基準としてら力を込めて剥がしていけば大丈夫です。


注意しなければいけない点として、この内装内側の爪は非常に折れやすいという
事です。ちょっと力を欠けた程度で簡単に割れてしまいます。
ただ、基本的にほとんどクリップにて固定されているので、多少の爪が折れたとし
ても内装の固定特に問題が出る訳ではありません。
欠けて心配する事はないですが、あまり気持ちの良い事ではないので、出来る限
り欠けさせない様に気を付けましょう。
内装パーツの両サイドにある爪がとても欠けやすいです。
一度割る事を経験すると、いかに割れやすいかと言う事が実感してもらえると思い
ます(笑)


内装を剥がした事によって、チルターユニットがむき出しになったので、これから
いよいよ本格的な作業に入ります。
ここから油汚れがかなりあるので、軍手のある人は軍手を使用した方がいいかも
しれないですね。


まずは、チルターユニット右にある配線の縁切りを行います。
チルター右側すぐの所にコネクターがありますので、これをリアピラーから取り外
し、コネクターの接続を外してやればOKです。
リアピラーから取り外したり、コネクターの接続を外す時には素手だと辛いので、
マイナスドライバーの先などを使用して外してやると簡単に外す事が出来ます。


次にチルターユニット左側にある、モーターからの動力伝達ワイヤーを取り外しま
す。この時ワイヤーは19mmのナットで固定されていますので、19mmのスパナ
を使用して取り外します。
この19mmのナットを外すとき、根元の17mmニップルがいっしょに回転してしま
う事がありますので、17mmのスパナでニップルが回転しない様に固定しつつ外
してやると外しやすいですよ。
念のために書いておきますと、時計回りが絞める で 反時計回りが緩めるです。
ナットを外した後、ワイヤーを引っ張ってやれば簡単に外せます。
それでも外れなかった時は、プライヤーでワイヤーをはさみ、引っ張ってやれば大
丈夫です。後で取り付け直す時、ワイヤーの方向が差し込む
場所とうまく合わない時も、プライヤーでワイヤーを挟んで方向を調整してやると
簡単に取り付ける事ができます。


以上で、内装剥がし、及びチルターユニットの縁切りは終わりました。
次はいよいよチルターユニットの取り外しです。
チルターユニットは下側から4つの10mmナットで取り付けられているので、ナッ
トを全部取り外せば簡単に外す事ができます。もちろん、ナットを全部外すとチル
ターユニットは落下してきますので、ナットが最後の1つになったら、落下しないよ
うに手で支えながら作業する事が必要です。

補足情報
チルターユニット本体を固定している4つのネジ穴のうち、実は外側の2つは切れ
込みが入っています。(見難いですが、上の写真を参照の事)
内側の2つのネジを外した後、外側のネジは緩めるだけにしておき、チルターユニ
ットを手元に引いてやれば落下を気にする事なくチルターユニットを外す事ができ
ますよ。




チルターユニットを取り外したら、ユニットの下にある4本のプラスネジを外してカ
バーをとれば、中のチルターギアの確認ができます。
MC前タイプのチルターユニットは、そのネジ部にパッキンが付いているのでカバ
ーを外す時に無くさない様、気をつけて下さいね、
チルターユニットのギア状況が気になる方は一度この手順を参考に取り外してみ
て下さい。
ただし、外して中身を確認する時は、十分な心構えを持って挑んで下さい(笑)


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