トランクの雨漏り2




劣化したシーリングの隙間より雨漏りが発生


トランクの雨漏り で今まで有名であったのがCピラーグロメットからの雨漏りです。
トランク雨漏りのほとんどがCピラーグロメットからのと思われていましたが、実は最近になっ
てそこに匹敵するほどの雨漏りポイントが確認されました。
それが、トランクの内圧を外へ逃がす為のリアエアーアウトレットからの雨漏りだったのです。
正確には、リアエアーアウトレットのパッキン部劣化による隙間からの雨漏りと言ったほうが
良いかもしれませんね。
劣化して崩れてしまったパッキン部に容赦なく砂を含んだ水が流れ込み、そこからどんどん
雨漏りする量が増えていくという次第です。

Cピラーグロメットからの雨漏りはリアダンパー付近の濡れが激しいですが、テールライト付近
からの濡れが激しい時は リアエアーアウトレットからの雨漏りを疑った方がよいでしょう。
トランクの雨漏りが発生した時、トランクのボードを確認してみるとどのあたりが激しく濡れてい
るのか分かり易いと思いますよ。



それでは、リアバンパーの外し方も含めて
リアエアーアウトレットからの雨漏り修理について紹介しましょう。
・・・このページはメンテナンス集ではなく、トラブル集なんですけどね(笑)


まず、トランク内の荷物を全部取り出して応急タイヤを取り外します。
もしかしたら応急タイヤは外し必要ないかもしれませんが、部品とかが入り込んでしまった時
に面倒なので取り外した方がよいと思われます。


次に、トランク内装の上部にある4ヶ所のクリップを外します。
マイナスドライバーなんかで剥がしてやれば外す事ができますが、クリップの形状からも90
度回転させてやると簡単に外せるみたいですよ。
もっとも、その90度回転させるというのがなかなか大変なので強引に引き剥がしてやった方
が楽かもしれません(^^;
クリップへのダメージを考えた場合は90度回転させた方が無難ですね。

クリップを外したら、あとは内装を上方向に引っ張ってやればリアバンパー側のトランク内装
が取り外せます。


次に、リアバンパーのしたにある2つのボルトを外します。
ボルトの大きさは10mmです。スパナでも外せますが、できるだけソケットレンチで外した方
がナットを痛める事がないのでソケットレンチをお薦めします。


リアバンパーの両サイドにあるプラスねじを取り外します。
パンパーを下から覗き込むと、画像のドライバーを差し込んでいるあたりに切れ込みがあり
ますので、そのあたりにドライバーを差し込んでやればプラスねじを見つける事が出来ると思
います。

写真ではすごく小さいドライバーを使用していますが、撮影した時はタイヤが邪魔してこれくら
い小さいドライバーでないと差し込む事が出来ませんでした。もっともこの時はスタットレスタ
イヤを履いていた為にドライバーを使う隙間がなかったのかもしれません。
ドライバーを差し込む隙間がない場合は、ジャッキアップしてタイヤハウスとタイヤの間を開
けてやる必要がありますね。
作業スペースを大きくとる意味もこめてできるだけジャッキアップする方法をお奨めします。


パンパー下側のボルト ×2 と 両サイドのプラスネジ ×2の合計4本を取り外したら、次
は中側からの固定ネジを外す必要があります。
内側から5箇所 ナットで固定されていますのでそのナットを外します。
(年式によっては、ナットではなくクリップ固定されている場合もあるそうです)

ボディにボルトが刺しこまれている穴にはシーリング剤が塗られていてそれがくっついていま
すのでちょっと力を入れてバンパーを後ろに引っ張ってやれば バンパーが外れ、これでリア
バンパー外し完了です。
一回外れたシーリング剤は使い物にならないので、バンパーを外した時に剥がしておくといい
かもしれませんね。


これがリアバンパーを外した デルソルの図です。
ちなみに、デルソルのリアバンパー固定は合計9本のボルトによって行われているだけで、か
なりヤワそうです。
気楽にリアバンパーとかに腰かけている人も多いと思いますが、取り付け部にかなり負担をか
けているのかもしれません。(ええ、私もその一人ですよ(^^;)
リアバンパーに腰掛けるのは控えた方がいいかもしれませんね。


リアエアーアウトレットの外側から見た状態です。
位置的にも、なんだかかなり水が流れそうな位置に配置されていますね。
丁度平らになっている所が、上側から流れてくる水やそれに混じっている砂をを受け止めて
しまい、パッキンの劣化が激しくなるのでしょう。


リアエアーアウトレットを外した所です。

ここからの雨漏りが発生している人は、外してみると劣化したパッキンや隙間に詰まった砂
をその目を見る事ができると思います。
写真ではちと見づらいかもしれませんが、穴の上側と右側にかなりの砂が付着しているのが
見て取れると思います。


リアエアーアウトレットの上側から水をかけて、内側に雨漏りが発生するかどうか確認する事
をお薦めします。
そこから雨漏りが発生していたという事がわかれば、直した後での安心感が格段に違います
しね。もっとも、ほとんどのデルソルがこのリアエアーアウトレットのパッキン劣化が発生して
いると思いますので、たとえ今トランクの雨漏りが発生していなくとも、修理をしておくと良いで
すよ。


もし雨漏りが発生して場合、しばらく水をかけていると内装側にじわじわと水が流れ込んでくる
と思います。
考えてみれば デルソルも初期のものは生産されてから10年が経過しましたので、トランク
の雨漏りだけでなく、これからもこの手のパッキン劣化が原因という雨漏りが沢山発生してく
るかもしれませんね。


一番良い対策はディーラーで新しい部品(パッキンなど)を購入して交換してもらう方法なので
すが、今回は自分で行う修理を紹介しておきます。
まぁ対策と言っても、しっかりとリアエアーアウトレットとその取り付け部を水洗いして汚れや砂
を落とし、これでもかというくらいにシーリング剤を塗って取り付けるだけですけどね。
シーリングの量によっては次回取り外す時には破損覚悟をしておいた方がよいかもしれませ
ん。まぁ、その時はあらかじめ交換用の新しいリアエアーアウトレットを用意しておきましょう。
シーリング剤はカー用品店で売っている700〜900円くらいのヤツが1本あれば十分です。

そうそう、リアバンパーなどについても、ボルト取り付け部の穴の周囲にあった古いパッキンを
取り外してシーリング剤を塗っておく必要があります。このあたりも水が流れる所なので、隙間
があると雨漏りが発生します。忘れ易い点といえますので要注意点といえます。
穴やネジ取り付け部によくある古いパッキンや一度外したシーリングは使い物にならないので、
しっかりと交換する事が必要ですね。



リアエアーアウトレットは外側から水が浸入くる上に、隙間に砂が入りこんでいますので、内側
からどれだけシーリングを塗っても効果が薄いです。
ディーラーで修理を依頼する場合は、トランク内装を剥がして内側からシーリングするだけでなく
リアバンパーを外して外側からもシーリングを行ってもらう様にお願いしておきましょう。
写真は内側から大量に塗った為に、またそこから雨漏りが発生しているにも関わらずリアエアー
アウトレットが取り外せなくなってしまっているものです。
リアバンパー外しは手間がかかりますが、リアエアーアウトレットからの雨漏りを修理する為には
必要不可欠な作業と言えるでしょう。
もちろん、古いパッキンや溜まった砂はちゃんと掃除してもらいましょうね。